2020年4月9日更新
公民館が大学生・大学院生と協働しながら、地域のつながりづくりを基に、地域の課題解決に取り組む具体的なプロセスを実証する本プロジェクト。2年間モデル公民館として実証していただいた取組を紹介します。
・将来、子どもたちが、「このまちに帰ってきたい!」「このまちが好き!」「このまちが自慢だ!」と思える姿を目指し、子どもたちにとって「自分たちの思いを受け入れ、育んでくれる」地域でありたい。
⇒子どもたち目線で考え、「子どもたちのやりたい講座」の企画を行ったり、一緒に運営したりしていきたい。
・青年層で構成された地域の組織「新栄会」から、「子どもたち向けのイベントを開催するが、中学生の参加が少ない。」という悩みがあがった。また、公民館としても、「小学生→中学生→新栄会(青年層)」という「憧れのサイクル」を循環させたいという思いがあった。そこで、両者で協力し「中学生のやりたいこと」を地域で叶えようという運びになった。
・1年目から、関わりのあった中学校のPNP(総合的学習の時間)と連携し、中学3年生の1グループ(「地域のために実際に何かしたい!」という思いをもった5人)に、このプロジェクトの企画運営に加わってもらった。
・中学生の思いは、以下のとおりであった。
「映画の制作をとおして、地域のみんなにつながってもらいたい。」「自分にとってのふるさとを振り返ってもらいたい。」
⇒「この新吉に大切な思い出が詰まっているなあ。市外・県外にいてもいつかは新吉に帰りたい!」と思えるきっかけにしてもらいたい!!
・映画作りの流れは、
①地域の方にアンケート(地域での思い出)を取る。
②アンケートを基に中学生がシナリオを考える。
③映画出演者を募集する。
④撮影の事前準備をする。(協力:新栄会)
⑤皆で映画を撮る。(参加者50人以上)
⑥編集する。
⑦公民館祭りで上映会を行う。
子ども目線で、子どもたちに何をやりたいかを投げかけてみると、大人が思っていた以上に、地域に愛着をもっていて、役に立ちたいと思っていることがわかった。そして、地域には、協力体制が整った団体や人たちがいることにも気付いた。この映画作りも中学生から依頼があり、たくさんの地域の方が協力して実現した。中学生も大変なこともあったと思うが、地域のつながりの強さを感じたと思う。その様子を小学生たちも見ていて、「僕たちも、私たちも」という思いになっていったのではないか。これから、公民館の役割の1つとして、子どもと地域をつなげるような活動をしていきたい。
・学社連携のよい事例である。中学校のカリキュラムと連携した、まさに「社会に開かれた教育課程」だと思った。
・「憧れのサイクル」というキーワードが印象的です。多くの地域で、特に中学生とつながりが切れがちの中、子どもの視点に立って「子どもがやりたいこと」を実現するという取組はすばらしい。